スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

自由アメリカ放送

 テレビを調整しようとしても無駄だ。
 これは《自由アメリカ放送》だ。
 追跡もできないし、止める事も不可能な、
 この街で唯一の自由な声だ……


 ……と、一部の人には懐かしい
「ダーク・エンジェル」からの引用で始める今回の記事は
 近頃の表現規制問題についてです。

 いわゆる「エロゲー」「陵辱ゲー」といわれている、
 成人向けのセクシャルな娯楽作品を規制しようという運動が、
 すでに自主規制という形で踏み出しています。

 なにぶん、話題の方向が下の方なので、
 非難する人はずいぶん声高なのに
 擁護する人は小声になりがちなこの問題。

 しかし、今回の規制騒動はあまりにも馬鹿げています。
 吹けば飛ぶような雑魚ではありますが、
 仮にも表現の分野に関わる一員として、私はみなさんに請願したいのです。
 誤った告発によって、私達は極めて愚劣な決定を受け入れつつあります。

 例えばの話として。
「ショーウィンドウに飾られたトランペットを、一人の少年が眺めています。
 少年はそのトランペットが欲しいのですが、お金が全然足りません」
 という状況があったとして。

 少年が「普通の人」なら、トランペットを諦めます。
 あるいは、少年が誰よりも音楽への情熱に燃える「未来の天才」なら、
 他の様々な欲望を我慢して貯金し、数ヵ月後になんとか購入するでしょう。
 そして少年に「犯罪者」の傾向があった場合は、
 今すぐショーウィンドウのガラスを叩き割って、盗み出すでしょう。

 では、少年の犯罪を未然に防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
「トランペット」を規制して、少年が吹きたくなくなるような形にすればいい?
 その発想は、あまりにも愚劣です。
 たった一人の『犯罪者』の愚行を防ぐために、
 他の多くの『善良な』音楽家の演奏を妨げるべきではありません。

 健全に考えれば、ショーウィンドウのガラスを強化ガラスにすればいいのです。
「お金を貯めるより盗む方が楽で簡単、だから盗む」のなら
「盗むよりお金を貯める方が楽で簡単」になれば、誰も盗まずに貯金します。

 犯罪を抑止する最良の手段は、
「防犯」の技術と意識を高め、犯罪の難易度を上昇させる事なのです。

 ところが、ある愚かな人々の私怨に近い感情論では、
 上記の自明の理さえ捻じ曲げられ、
「少年に刺激物を提供する事が悪い」という奇妙な論理に変わります。

 つまり彼らは、本来の取り締まりの対象である『犯罪者』の代わりに、
『無実の人間』や『法に従う人間』を取り締まろうとしているのです。

 法に従わない犯罪者を取り締まるよりも、
 法に従う善良な市民を取り締まる方が楽で簡単なのは当然です。
 しかし、そんな方法で犯罪を抑止できるわけがありません。

 この問題の、真に深刻な点はここからです。
 明らかに間違った対策を講じながら、もしも、
 この規制後に性犯罪が『偶然にも』減少した場合。
「表現規制には犯罪抑止の効果がある」という
 非常に間違った図式が成立してしまいます。

 この間違った図式を根拠に「暴力表現規制」や「差別表現規制」などの
 重大な表現規制がドミノのように成立していく恐れがあるのです。


 要点をまとめます。
1・エロゲ規制で制限を受けるのは、
  法を破る犯罪者ではなく、法を守る善良な市民である。

2・そんな事で犯罪件数の減少を期待するのは愚かな事だし、
  仮に減少しても偶然の結果に過ぎない。

3・もし減少した場合に、彼らがその『成果』を主張して、
  さらなる表現規制の拡大を図るような事態だけは、
  絶対に避けねばならない。


 ……この放送が、決定権ある人々の耳に届く事を切に願う。
 そして彼らが、一部の歪んだ視野を持つ議員と違って、
 健全な視野と理解力を有し、
 自分と異なる人々の声にも耳を傾ける寛大さの持ち主である事を
 心から期待する。


 この狂気を、この憎悪を止める時だ。
 これで《自由アメリカ放送》を終了する。


TRACKBACK


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。